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第1回「ミニシアターがいま伝えたいこと」

第七藝術劇場/シアターセブン・小坂誠さんにお話をききました。

2021年4月25日、3度目の緊急事態宣言を東京・京都・大阪・兵庫に発令。
GWを前に突然の対応に追われた映画館の声を聞いてきました。
(取材日 2021/4/27)

今回の緊急事態宣言、急でしたね。

はい。さらに今だに行政から協力金についての話も来ていません。
うちは幸い休業していませんが、プログラムの調整はありました。GWということで、劇場も配給会社もお客さんくるような作品をぶつけてきているというのはありましたし。でも、劇場と配給会社とで話し合って延期と判断しました。

GWとかって、日替わりでのプログラムも組みやすかったりするんです。お客さんが全作品をコンプリートしに来たりとか。そうゆう楽しみ方ができるので。

独自の企画で「チェコアニメ映画祭2021」はまさに21プログラムを日替わり上映の予定でしたし、監督や出演者によるイベントの日程を調整していた企画については、映画祭的に盛り上げたい部分があったので、プログラムは全て延期になってしまいました。

感染対策を徹底してきた中でのこのような宣言、つらいですね。

今じゃもう慣れてきましたけど、作品の入れ替えごとに消毒をしてきたんですよね。全回。うちは検温も行なっていました。

もうご存知の方は増えてきましたが、映画館は換気もしっかりしているんです。クラスターも出ていない。
でも、もし全国どこか一つでも対策を徹底して行なっていなかった場合、「映画館でのクラスターはゼロ」というのは不可能だったかもしれません。つまり、みなさん徹底してきたんだ、と。

もちろん人の流れを抑えることは感染拡大を抑制することだと思います。というか、そりゃぁそう。でも、それではやってられないということで、全国みんな対策をしてきた。対策をやってもやっても人流を止めると言われてしまったら元も子もないです。

この一年を振り返るといかがですか?

一年前、ミニシアターエイド基金やSAVE the CINEMAが立ち上がったと、お客様個人からも応援や支援があったこと、そのことがまず嬉しかったです。
「この場所がなくらないで欲しいと思っている方がたくさんいるんだ」ということを知ることができました。

そのおかげで、「映画館は本当に必要なのだろうか」というようなことに疑問は抱かなくなりました。あの時の支えを思い出せば、自分の中での揺らぎはありませんでした。
休業があけてからはコロナでの浮き沈みはあれどお客様も戻ってきてくださり、逆境で今がんばらねば…!と思うことができましたし。

ただ、そんな中なにより力を吸い取られたのは政治とか行政の変わらなさです。

“はたらきかけ”に対応し続けることには、徐々に慣れてきてしまいました。良くないですが、マヒというか。
とにかく、その「行政の変わらなさ」に一番がっかりしました。

同時に、この一年を通して思うのは、映画館・映画業界全体としてもそうですけど、政治に何かを主張するということをこれまでほとんどやってこなかったのではないかな、ということも考えました。危機になってからでは遅かった。

これはコロナとは少し別の話になりますが、ミニシアターの維持・設備向上に向けて、そもそももっと動くべきなんです。そうゆうのを一切やってこなかった。危機的な状況があって声を上げるようになったんだな、と。

本来は、10年後20年後にもミニシアターを残す動き、国に声を上げることをやっていかないといけないと思いました。

それはコロナで気づかされたことかもしれません。自動的に政治が変わることはないんだと。ガミガミうるさく言っていくしかないですね。

あらためて、ミニシアターってどんな場所ですか?

この場で情報交換したりとか、知らなかったことを知ることができて、映画をきっかけに、いろんな方向に興味関心を広げていける場になってほしいです。

人が集まることで、広がっていくような場所にできたらいいなと思います。

コロナでやりづらいということはあるけど、ここで映画を見て、映画をきっかけに交流・出会いがあるということを作り続けられたらいいな、と思っています。

そうして必ずしも映画だけ、というよりは、ギャラリースペースだったり、イベントスペース、そういったところも併せて楽しんでいただきたい。

コロナになる前は、お客さんも交えて舞台挨拶の後にみんなで飲みに行ったり…なんてこともありました。ミニシアターだからこそ、映画にとらわれない。

ナナゲイには月替わりでアーティストの方にご自身の作品を販売いただけるスペースがあって、今月はそこで大量の本を販売しています。映画を見た流れでパッと手にとって、本にも出会えるんです。上映中の映画に関係あったり、なかったり…。

コロナがある中で、どう具体的にやっていけるか。ということは課題ではありますが、場所の存在意義。場所がある。そこに人が集まる。ということの魅力を守っていきたいと思います。

映画館で映画を見ることについても特別な意味がありますよね。

そう。私ね、映画見終わった後にお客さんが映画の話ししてるの聞くの好きなんです。
自分は最高傑作だと思って観終わったのに、ほかの人は「意味わかんなかった」とか「面白くなかった」とか言う感想を聞くのも好き。

映画って、同じ作品を見ていても、みんながみんな、自分自身と向き合ってるんだと思うんです。

大勢でいるけど、すごく孤独でいられる。場内の一体感がある一方で、映画と自分が一対一の感覚もちゃんとある。そんな場所かと。

ミニシアターって、ひとりで来ているお客さんがとても多いんです。もしかすると、他人との微妙な距離感の中で「自分と向き合いたい」みたいな人が多くいらっしゃるのかも。その微妙な感じがいいんですよね。自由な感じ。
コロナがあったから、というのは違うかもしれないけど、やはりこの一年で「映画館の必要性・特別性」を、よりはっきり感じました。

第一回「ミニシアターが今伝えたいこと」は、シアターセブン・第七藝術劇場で編成をされている小坂誠さんにお話を伺いました。

必要不可欠なこの場所について、これからもいろいろな劇場さまの声を届けていければと思います。よろしくお願いします。

  • 第七藝術劇場
  • 住所
    〒532-0024 大阪府大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ6F
  • 電話番号
    06-6302-2073
  • スクリーン数
    1
  • 席数
    93席
  • 営業時間
    10:00~22:00
    ※上映作品によって変動あり
  • WEBサイト
  • その他
  • シアターセブン
  • 住所
    〒532-0024 大阪府大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5F
  • 電話番号
    06-4862-7733
  • スクリーン数
    2
  • 席数
    36席 / 60席
    ※6/28現在は感染予防のため18/29です
  • 営業時間
    10:00~22:00 ※上映作品により変動
  • WEBサイト
  • その他